KRM邸

夫婦と子供2人の住宅。ご主人がレスキュー隊員ということもあり、「火事や地震に強いRC造」での設計を求められ、さらに、熱環境の良くない、RC造を「外断熱」で解決するという要望をいただきました。

RC造/打ち放し
地盤が悪い土地であり、RC造の重量を支えるためには、38メートルの杭を8本も打たなければなりませんでした。ご主人にヒアリングしたところ、それでも、RC造/打ち放しの魅力を求められ、杭にかかってしまったコストを、極力、シビアな構造計算で、壁配置を工夫し、コスト削減を追及しました。

外断熱[GRCパネル]
RC造で、外断熱をするため、この計画では、コンクリートの型枠として使用できる、「外断熱GRCパネル」を使用しました。外部の写真のコンクリートに見える部分は、実は、断熱材が貼り付けられたGRCパネル（セメント板）で、ご主人の要望である打ち放しの雰囲気を残しています。
RC造での外断熱は、冬の断熱性能向上だけでなく、むしろ、夏の熱射を遮り、コンクリートを暖めない効果を大きく発揮します。

土壌蓄熱[サーマスラブ]
住宅のRC造でのネガティブな印象として、陽の当たらない1階が寒いという印象があります。このプロジェクトでは、外断熱と相性の良い土壌蓄熱という温熱環境計画を行いました。冬の間、深夜の余っている電力を格安で契約し、その深夜に蓄熱体として安定した地盤と、コンクリートスラブに熱を蓄え、昼間は、蓄熱体から放熱される熱で、冷え切ってしまうコンクリートの寒さを無くしました。冬の間は、全体が床暖房で暖められたような快適な室内となります。

エントランス
奥様からの、「子供たちが帰ってきたら、すぐに手を洗う場所が欲しい」という要望から、積極的に手洗器をインテリアの一部としました。エントランスに、ベンチや、手洗い、階段などがあり、ポケットパークのような、楽しい雰囲気で、皆様を出迎えます。

和室
来客の方のための和室を設けました。畳みは、耐久性のある和紙畳を使用しています。

リビングダイニング
大きくないリビングダイニングを広く感じさせるため、テラスに対して大きく開口部を設けました。また、２階は天井高さを約2m80cmとり、立体的な広がりを演出しています。また、大きな窓を持つ階段からの光も、この部屋に光をもたらし、明るい居室を実現しています。

キッチン
リビングダイニングに対面したキッチンを設計しました。壁面には、たっぷり収納が出来る、食器棚と食品個、補助台として利用できる窓に面したカウンターを設置しました。

洗面・浴室
洗面と浴室は、白いタイルを基調とした別空間を作り上げています。単調になってしまう打ち放しインテリアに、スパイスを加えています。

テラス
リビングからだけでなく、洗濯機を設置している洗面室からも直接、テラスに出入りが出来ることにより、洗濯物をすぐに外へ出すことができる。

子供部屋
子供2人に対して、子供部屋は1部屋となっています。将来、間仕切り家具を設けることにより、2室に分けることが出来るようにしています。

鉄筋コンクリート造　地上２階建て
70.56平方メートル
110.77平方メートル
-----平方メートル
東京都葛飾区堀切
株式会社沢井工務店
準工業地域、第2種高度地区